三野農園

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なまら雪。これぞ冬。

かまくらが嫌いになった日

真狩村の冬が好き。夏は草木であんなに青々してたのに一面真っ白、毎日のように降る雪、プラスにならない気温、除雪車が来ないと出かけられないし、ちょっと風が吹いただけで前が見えない、鼻で息吸ったら鼻がくっついちゃう。でも、「雪の暖かさ」を感じちゃうとやっぱり真狩の冬っていいなって思う。
「寒いけど暖かい」何とも表現しにくい感覚だけれど深々と降り積もる雪にはそんな錯覚さえ感じさせてくれる自然の力があるように思う。
この土地で産まれ育った私には冬になると必ず思い出す過去の記憶がある。
小学生低学年くらいだっただろうか、夕方4時にもなれば暗くなり始めるこの季節。庭先にトラクターで除雪された雪山で遊んでいた時の事だった。かまくらを掘ってやろうと思って、剣先スコップで意気揚々と雪を掘り進んでいた。雪山って意外と雪がしまってるから小学生の力では結構、力を使う。スコップの長さの半分くらい行った所で何か固いものに当たった感触。「氷かな?」薄暗いのでよく見えないがソフトボールくらいの塊があるのがわかった。周りの雪をかき分けて、最後は両手で一思いに取り出した。「それぃっ!」家の街頭の下にそれを持っていき雪をはらいのけてみる。「うわーーーっ」思わず放り投げ、のけぞりながら倒れ込む。手にしていたのは子豚の頭部。冬なので臭いもしなけりゃ、腐ってもいない綺麗なまんまの子豚の頭部。はっきりと目が合ったのを今でも忘れない。 我が家もそうだが一昔前までは畑の傍ら、養豚もする農家が多かった。豚の価格も良かったのと、家畜糞を堆肥化し畑の肥やしとしていた。その一方で、子豚を狙うキツネからの被害がしょっちゅうあったのを記憶している。夜な夜な豚舎にキツネが侵入し騒ぎ立てる豚の鳴き声が印象的。その結果、私のトラウマともなる事件へとつながった訳である。

真冬はまず自宅から道までを除雪。冬の重要なお仕事です。

三野農園の愛犬NANA。もちろん屋外犬!冬も元気です!!

この冬があるからこその農業王国

この人参が雪の下で一冬を越すと、甘みと旨みが増えて絶品です。

雪の下から野菜を収穫するのは、けっこうな力仕事。

そんな思い出深い真狩の冬であるが農家と畑にとっては充電期間となる。4ヵ月間以上は雪に覆われ畑は使えない状態。120日もあれば何か作れるのでは?と考えてしまうが氷点下10℃を超える気温に人の背丈ほど降り積もる雪を体験すると、そんな気はさらさら出なくなる。1日に2回も3回も除雪し、屋根の雪下ろしもしないと潰れてしまう。毎年わかっている事なのに「まだ降るのかよ」って必ず口にしてしまう。
見渡す限り畑一面真っ白の白銀の世界であるが1メートル以上もの雪で覆われたその下にある土壌は外気と遮断され一定の温度が保たれ凍結しないのが特徴。その特性を生かし、秋に収穫せず一冬眠らせて春に収穫する越冬人参は絶品である。4ヵ月間、土の中にいながらにして大きくなるわけでもなく腐るわけでもないこの天然冷蔵庫の性能には驚きだ。
その間、何もしないかと言えばそうではない。シーズンを振り返り、来シーズンの計画と準備を整える大切な期間。夏場、実際に畑に入るのはわずか半年間で1作。現場でつまづかないためにも入念な計画が必要である。とはいえ、やはり少しはゆっくりできる冬を楽しみにしている人は少なくないんじゃないだろうか。その分、夏場はどんなに忙しくったって「頑張る」って思えるもんです。
ウィンタースポーツを楽しむのもよし、アルバイトをするもよし、旅行に行くのもよし、それぞれに冬を満喫し心も体も、そして畑にも一度リフレッシュしてもらい春が来たら「よしやるぞ」って思う繰り返し。その毎年の繰り返しだけどこの真狩村の四季らしい四季とそこで培われてきた生活の知恵や風土。不便なことも多いが私には居心地がいい。
さて、今年はどんな冬にしようかな。

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